立冬過ぎても日中は半袖で過ごせるくらいの日和で、俳句の季語選びが難しかったかもしれません。

 

兼題の小春日和が実感できてよかった面もありました。

 

俳句では「季語」に語らせるとよくいいます。

 

もともとの文字数が限られているので、季語の持つ意味や雰囲気に託して作ると深みがでます。

 

金藏院葉子俳句
碧眼の僧の講話や冬ぬくし
小春日や気の向くままに高野旅
これからの予定早々冬ぬくし

 

手遊びや勝ちを譲りし小春かな  大亦祐子
◯新札の三種揃ひし小六月
◎新妻の煮る大根の硬さかな

 

◯いただいた柿の甘さをかみしめて  竹下由華
小春日や庭に向かひし猫と我
◯抜きたてを洗ひ大根真っ白に

 

大根や心に沁みる温かさ   大空夢湧子
◯高野山古刹に映える赤紅葉
◯鈴の音や家族で詣る七五三

 

◯小春日や高野巡りの歩の軽し  名定春風
電飾のごとき木漏れ日紅葉照る
風に染められし紅葉のグラデーション

 

木の下を明るくさせる石蕗の花   佐本恵子
冬ぬくし最後となりし同窓会
雑草の元気に生きる秋の庭

 

◯熱々の大根味のよく滲みて  上田愛子
◯晴れやかに公民館の文化祭
◯小春日の新婦の母の安堵かな

 

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