呼吸のリズムで記憶する
来年のパリで立つ狂言の舞台のためのお稽古が進んでいます。
狂言のお稽古は、初めは、 台詞の言い回しを座ったまま口伝で一通り教えて頂き、その後、 立ち稽古で舞台での動きを身体全体で覚えていきます。
舞台で動くので、台詞は、 すでに覚えていることが前提なのですが、覚えの悪い私は、 台詞が覚えられないまま立ち稽古するので苦労します。
とにかく、覚えられないのです。
自分でもアホなんかなと思ったりしましたが、
長年やって行くと自分のパターンが見えてきました。
先生から、台詞の練習をする時、
早口でバーっと言ってはいけないと教えていただいて、
ようやくわかったのです。
必ず、実際の舞台の呼吸のリズム タイミングで練習すること。
その注意を受けるまでは、電車に乗っている時など、
頭の中で2倍速や3倍速で台詞を練習していました。
そうすると実際の舞台で、 リズムが狂い台詞が出て来なくなるのです。
つまり、舞台の上で台詞のリズムを呼吸と共に身体に落とし込む。
その場を呼吸して、そのリズムで覚えていくと覚えられるのです。
それからは、電車の中でも倍速は止めて、 呼吸と共に練習しています。
若干、動きが入ってしまうので、 周囲の視線がちょっと気にはなりますが。
呼吸とリズム。
これは、お稽古以外の場面でも同じです。
講師の仕事をする時も、 呼吸と共にリズムの流れを読みながら進行すると、 参加者の皆さんと良い場を作ることができるように思います。
場の作り方には、呼吸とリズムは重要なんだと思います
--
ホロンPBI通信メルマガ
金蔵院葉子のコラムや講座の最新情報などを月に2回配信しております。よろしければご登録ください。