先週末は、琵琶湖で合宿セミナーを実施しておりました。
自分の人生のストーリーを見直すという内容で、ストーリーテリングの影響力を改めて体感するというものです。
さて、ストーリーテリングの力を実感したのは、20年近く前にカナダにスキーに行った時のこと。
マイナス30度を越える極寒の地でレンタカーに乗って移動中、ホワイトアウトに見舞われるアクシデントに出くわしました!
その時レンタカーがスピンアウトしてしまい、見事に一回転しながら、大きな川に転落(°▽°)
寒すぎて川が凍っていたのが幸いし、凍川の水の中に落ちずに川の氷の上へ(川の水の中に落ちたら即死でした)
車に閉じ込められて出られないでいたところを、偶然通りかかったカナダの陸軍の方々が見つけてくれて、車から無事救出し、近くにあったユースホステルに送り届けてくれました。
その山の中のユースホステルは、電気もガスも水道もないいわゆるポツンと一軒家で、当時唯一の連絡手段だった衛星電話で警察などに連絡して、そのままユースホステルで夜までお迎えを待つことになったのです。
大きな怪我はなかったものの、事故で気が動転している我々に、彼らが最初にしてくれたのは、甘く濃い紅茶と暖炉の前の居心地良い場所作りでした。
そして、彼らは事故の様子を聞き出すこともなく、このユースホステルの四季折々の美しい自然について優しい口調で話してくれました。
熊が出た時の騒動や、蜜蜂の様子、それぞれの季節の花の美しさや、夕焼け雲、
緑の風のささやきなど、まるで子供をあやすように語りかけてくれたおかげで、
緊張し張り詰めていた気持ちがだんだん緩んできて眠たくなり、そのまま眠るように誘ってくれました。
もしこの時、事故の顛末を色々聞かれていたら、緊張が解れることなく、疲れてぐったりして救援を待つだけだったのではと思います。
彼らがどうして何も聞かず、優しくさまざまな命の営みのストーリーを語り聞かせてくれたのか不思議です。
このストーリーテリングは、私たちの心身に癒しを与える大きな力になりました。
詮索することもなく、こうした方がいいなどのアドバイスもなく、ストーリーテリングによって、私たちの無意識が自動的かつ自発的に癒されていくのは、とても安心感のある居心地の良いものでした。
目が覚めた時には、彼らはパンを捏ねていて、このパンはこれから暖炉で焼いて、あなたがここから帰る時に渡してあげると言って、いい匂いのする焼き立てのパンを持たせてくれました。
エレガントな変容をうながし、自発的に変化を起こすために必要不可欠なストーリーテリング。
プレゼンやコーチング、カウンセリングなどで、ストーリーテリングの威力は絶大です。
今回の琵琶湖合宿で、それぞれの参加者の方々が生み出した新たな人生のライフストーリーが、これからどのように彼らの無意識にエレガントな変容をもたらすのか、今からとても楽しみです。
人生のライフストーリーを見直す機会は、今なのかもしれません。
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